甘味処とうま～生せんべい～

皆様甘味処とうまへとよういりゃあたねぇ～

ゆっくりしていってちょうでゃあねぇ

本日のお品書き

本日は

・生せんべい

・生せんべい物語

の二品をお届け致しまする

生せんべい

愛知県の銘菓　生せんべい

お餅のようにもちもちとしておって

黒砂糖と蜂蜜のほのかな甘みが口に広がる

風味豊かな半生菓子にござる

せんべいと申しておるが甘くて柔こい甘味じゃな

名古屋のういろうに似ておるかの

そのまま食うものじゃが

ちと火であぶって食うのも美味いんじゃなぁ～

あとあとこの生せんべいは三枚のうすいのが重ねられとるんじゃが一枚一枚はがしながら食うのがなんともいえんくてやめられんくなるぞ！

三枚重ねで食うと

んのっちょ、んのっちょ

っちゅう感じ

一枚づつはがしながら食うと

にちっ、にちっ

っちゅう感じかのぅ

自分だけの食べ方を見つけてもらいてゃあ

ちなみに小さいのもござるぞ！

大きさの比較はこんなもんじゃ

生せんべい物語

お次に紹介致すのは生せんべいの誕生の話じゃ

時は永禄三年(一五六○）

桶狭間の戦いに参陣なされた徳川家康様

家康様は今川方じゃった故に織田軍に押され坂部城まで逃れてきたそうじゃ

そこから岩滑城へと参る折に空腹で困っておる所に農民の家の庭先に干してあるせんべいを発見

腹が減っておるからそのせんべいを食べたいと所望されたんじゃが

娘のみつが干しておって生のままであると恐る恐る申し上げたところ

生のままでもよいと召し上がられたそうな

その味をいたく気に入られ滞在中はせんべいを生のまま献上するように申し付けられた

翌日みつが家康様の元へ生せんべいを献上しに参り再び家康様と会うとみつはこころを奪われ

家康様をひそかに想うようになったとか

じゃが届かぬ想いというのでみつは山の緑に囲まれた美しい池に姿を消したそうな

村人が知らせをうけ、かけつけた時には朝日にきらきら輝く雲母があるばかりでみつの姿はござらなんだ

後に雲母にちなんで一枚一枚重ね合せた生せんべいを作るようになったのが始まりと言われておる

なんと生せんべいのはじまりは家康様じゃったんじゃ！！

是非皆様も家康様が好まれた生せんべい召し上がってみて下され

それでは本日はこれにてご無礼いたしまする

皆様のまたのご来店お待ち申し上げまする

陣笠隊踊舞