又左趣記 説異聞
前田又左衛門記し候
此処では又左趣記としてこの多趣味武将こと前田又左衛門利家が
「手記」ではなく「趣記」として
馬物語、武具録、説異聞、霊日記の四つの章に分け
普段ではあまり知り得ない知識を記して参る
説異聞とは
又左趣記 説異聞では
この隻眼説、切支丹説等、現世において様々な諸説を囁かれる
儂、前田利家が世界中に蔓延る様々な説について紹介して参る
今回は
今回皆に紹介する説は
日ノ本の神話に登場する有名な怪物に纏わる説
ヤマタノオロチ退治、治水工事説
である
それでは説明して参ろう
ヤマタノオロチとは
ヤマタノオロチは日ノ本の神話に登場する怪物で
八つの頭をもつ大蛇であるとされている
その昔、天照大神(アマテラスオオミカミ)の弟である須佐之男命(スサノオノミコト)が出雲国(現在の島根県)に赴いた際
櫛名田比売(クシナダヒメ)という娘に出会う
彼女が言うにはヤマタノオロチと言う化け物が年に一度やって来て七人の姉妹達が食べられてしまい
次は自分だと嘆いていた
それを聞いた須佐之男命は彼女との結婚を条件に退治を引き受ける
須佐之男命は八つの頭全てに強い酒を飲ませ
酔い潰れてしまったヤマタノオロチの首を全て切り落とし
最後に尾を落とそうとした所、尾から太刀が出てきた
その太刀は後に天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)と呼ばれ三種の神器となった
ヤマタノオロチは川?
では、なぜヤマタノオロチ退治が治水工事であるという説が生まれたのか
ヤマタノオロチは元々山の神、そして水の神であるとされている
山から流れる水とはつまり川である訳じゃ
そして、その川が大雨により氾濫し
八つの支流に別れてしまった
これにより地域の田畑は流され大きな被害が発生してしまう
櫛名田比売は別名、奇稲田姫(クシイナダヒメ)ともされ
稲、つまり田に纏わる存在であり
これを守る為の治水工事が必要だったのではないかというものである
天叢雲剣は?
そして気になるのがヤマタノオロチの尾から出てきた天叢雲剣である
いくら大蛇とはいえ尾に太刀が入っているというのには謎が多い
しかし、こう考えてみたらどうだろうか?
氾濫した川を治水するに当たり、周辺調査をした際
山の源流付近に鉱山を見つけたというものだ
源流を尾、下流を頭とすれば
尾(源流付近)から剣(鉄)が出たという記述も納得がいく
さらにヤマタノオロチ退治をした時、川が血で染まったという表記がある
これはもしかしたら、鉱山から出る酸化鉄のようなものが混じったことにより赤く見えたのではないだろうか
当時としても鉱石が採れる鉱山は大変貴重なものであり
記念として太刀を造らせたとしてもおかしくはないだろう
まとめ
以上のことからヤマタノオロチ退治、治水工事説は
大蛇にしろ川にしろ偉業
であると言えるじゃろう
本当に大蛇を討伐したにしろ、川の治水工事に成功したにしろ
村人を救い、人命を救ったという意味では須佐之男命の行いは偉業と言える
こうして日ノ本の歴史は作られていったのじゃな
それでは此れにて終いじゃ
前田又左衛門利家
コメント
なるほど~と納得しました!
奥が深いですね♪
利家様こんばんは(^^)
日本の神話は中々面白くて好きです
と、言いつつも尾から太刀が出てきた事は何故か綺麗さっぱり忘れていました。
これをきっかけに読んでみるのもいいかなぁ。と思いつつ…実行した暁にはご報告いたしますね