我こそは名古屋城検定名誉顧問、前田慶次である。
皆には我等名古屋おもてなし武将隊が拠点である名古屋城について知ってもらうべく筆を執った次第に候。
名古屋と申せば”名古屋城”と真っ先に多くの者が答えよう。
名古屋の象徴とも言える名古屋城は、数多くある城郭の中でも群を抜いて魅力溢るる名城である。
名古屋城が何故、日ノ本が誇る近世城郭最高峰の城郭と言われるか教えて進ぜよう。
【関わりし人間が第一人者ばかし!】
築城は天下人徳川家康公と築城の名手藤堂高虎(とうどうたかとら)、加藤清正(かとうきよまさ)の卓越した技術が融合。
西国大名二〇家が普請(土木工事)を担当し、大工棟梁を務めたのは
中井正清(なかいまさきよ・城作りの天才) 熱田大工の岡部一門(安土城担当)
の二人。此れほどの人間が携わる城郭は中々無い!!
現在世界遺産に指定される姫路城(兵庫県)天守閣の二倍以上の巨大な天守閣を持ち、本丸御殿は二条城(京都府)二の丸御殿(世界遺産)に匹敵するとも言われる建築物が完全復元公開に成功。他にも櫓、石垣、庭園と言った城郭の見所が数多あり、余すこと無く紹介して参ろう。
【名古屋城の歴史】
天下普請(家康公の命令)により
築城は一六一〇年。
石垣工事は僅か半年でほぼ完成!
一六一二年には天守完成。
時の流れと共に増築、改修が行われる。
江戸幕府が終わりを迎えたあとには、名古屋離宮(天皇の宿泊施設)となる。
そして、昭和五年(一九三〇年)に国宝第一号(旧国宝)に指定された。
名古屋空襲(一九四五年)により多くの建築物が戦災により焼失したが、
名古屋城本丸御殿の復元完成を筆頭に名古屋城天守復元も注目されておる。
多くの困難を乗り越え一般公開となり、今では年間登城者数は二百万人を超える。
如何であるか?
具体的な建築物等を上げずとも
全体像でこれ程の注目度は中々あるまい?
では、具体的な建築物等も少し案内してやろう。
【名古屋城正門】
名古屋城の玄関口は正門。壮大な櫓門である。
此の門には秘密があり。実は江戸城(東京都)の蓮池門を移築してきたものなんじゃ。
天下人の居城の生き血を紡いでおる。
【名古屋城榧の木 天然記念物】
正門より直ぐ近く。
名古屋城榧(かや)の木。
何と国の天然記念物に指定される。樹齢六〇〇年を超える。儂よりも長寿であり、初代藩主徳川義直(とくがわよしなお)は榧の木の実を食して大坂の陣に出陣し、見事勝ちを収めた。それより縁起担ぎのため、尾張藩では正月に此の実を食べるのが習わしなんじゃ。
【名古屋城の隅櫓は巨大!重要文化財】
入城して直ぐ目に見えるが西南隅櫓。
名古屋城の隅櫓は巨大!
他の城郭に比べて通常の天守閣に匹敵する大きさを誇る。
特に西北隅櫓は清須櫓とも呼ばれ唯一三重櫓であり清須天守を移築改造したとも言われる。
圧巻の隅櫓は一見の価値有り!
また、西南隅櫓の鬼瓦は徳川城主の証である三つ葉の葵紋ではなく、菊の紋!
名古屋離宮の歴史を語る瓦が此処に有り!
【二之丸】
二之丸に行軍すると、二之丸広場が見える。
此の辺りは嘗て、二之丸御殿が建ち城主の居住空間であった。
今は我等の演武会場となっておる。
【おもてなし演武】
武将隊日本一を決める大会三連覇を果たした
名古屋おもてなし武将隊が届ける「おもてなし演武」。
殺陣あり舞あり太鼓あり、歴史の一部を切り取った寸劇もあり。
土日祝日に披露しておる!特に儂の槍捌きは必見ぞ?
【表二之門 重要文化財】
天守閣に向かって行軍すれば必ず通る門。
名古屋城表二之門。
数少ない現存する門であり重要文化財指定される。
鉄壁の鉄門。当時重火器での戦が当たり前田になってきた時分、木製の門では防御力に欠けた。
名古屋城の強さは防火性、防弾性とも言われ其れが鉄門。また、くぐると分かるが枡形門(ますがたもん)造になっており、突破がただでさえ困難であるが、三方から攻撃を仕掛ける火力の高さ。
攻守共に優れた門構えというわけじゃ。
【本丸御殿】
名古屋城に参ったら必見!
旧国宝第一号本丸御殿。
現世で完全復元を目指し2018年に完成公開となった。復元に掛かった費用は一三〇億円!
時代により増築改築を繰り返した本丸御殿は
寛永期の最も豪華な時代(1633~1634頃)の本丸御殿を復元!
当時と同じ場所から木材を利用する復元率には感服致す。
木曽山の木曽桧を筆頭に、樹齢を重ねた木材は高い物で一本一五〇〇万円を超える。
本丸御殿は大きく三つに区分でき
表書院、対面所、上洛殿である。
藩主の居住空間から将軍の宿泊施設として用途が代わり、其の折に豪華絢爛な御殿へと生まれ変わったのじゃ。
障壁画、天井を始め豪華絢爛と言わしめる造りには圧倒される…。
障壁画を描いたのは当代一流の絵師集団狩野派!
三十を超える部屋の数、部屋ごとに造りが違う故にそこに注目して見ると、当時の武家社会を知ることができる!
つまり、室町時代と江戸時代の文化が入り混じっておる珍しき建築物である。
【天守閣】
名古屋城天守閣は日本一の能力!
床延べ面積、最上階規模、破風の数、窓数、防火区画、防弾壁等々(日本一)。
白漆喰総塗籠造の壁には欅の板を仕込んでおり大砲にも耐えうる防御性。
江戸期に突入し戦も多様化。重火器戦にも抜かり無い備えっぷりは流石である!
また、畳の裏には海藻を敷き詰め長き籠城戦も耐える兵糧、鉛瓦を敷き詰めていざという時の鉄砲玉は約三十二万発!
天守は五重五階地下一階の層塔型天守である。当時の最新技術を持って築城された此の巨大天守は約四ヶ月と言う異例の早さで築城。
早いが鉄壁の守りに西国大名も驚かれたであろう。
【名古屋といえば金鯱】
城郭の強さだけでなく
金鯱(きんしゃち)にも注目される。
鯱は火除の神として我等の時代から飾っておった。金鯱となると天下人の城を示す
此の金鯱は世界進出をした過去があり、ウィーン万博に出陣し世界中の人々を魅了した。
【最大の見所 完全復元!】
本丸御殿復元を始め名古屋城は元の姿を取り戻しつつある。忠実に復元できるのは、過去の写真や実測図等の資料が残されておる点。此れは他の城郭に中々存在しておらず、復元したくともできぬ現実。名古屋城はこの先も変わり続ける。
一〇〇年先の名古屋城の姿を楽しみに日々の名古屋城を目に焼き付けて欲しい。
余談【名古屋おもてなし武将隊の土産】
物見遊山(旅行)と申せば土産。
名古屋城には多くの名物を揃えておるが儂の勧めは我等のグッズなる土産が販売されておる。
絵葉書はポストカードから手拭い、タオル等の実用品まで!
名古屋城を巡る際には、儂らも編集に携わった
「天下一名古屋城」という書物がある故に
此れを持って巡れば、主はもう名古屋城博士であろう。
隅々まで名古屋城を楽しんでくれ。
其方に直接会える日を楽しみにしておる。