又左趣記 武具録
前田又左衛門記し候
此処では又左趣記としてこの多趣味武将こと前田又左衛門利家が
「手記」ではなく「趣記」として
馬物語、武具録、説異聞、霊日記の四つの章に分け
普段ではあまり知り得ない知識を記して参る
武具録とは
槍の又左と呼ばれ、金色の甲冑を纏い戦場を駆け抜けた儂、前田利家が
古今東西さまざまな武具の特徴、用途、について戦を生業とした武士としての目線から
皆々に紹介しようと思う
日本刀
やはり儂が紹介するに当たり何からするべきかと考えたが
我等、武士の魂と呼ばれ日ノ本で最も有名な武具と言えば・・・
日本刀じゃ!
此度はこの美術品としての価値も高い日本刀の武具としての素晴らしさを書いて参る
日本刀の歴史
日本刀の歴史はおよそ三世紀中頃に始まりとされる古墳時代頃まで遡る
この頃日ノ本では青銅器から鉄器による移行が行われ、刀剣類も鉄製に変わっていく
その時点ではまだ直刀と呼ばれる反りの無いもので、現在の刀のように滑らかな切れ味を持つものではなかった
平安時代初期頃になると少しずつ刀に反りが見られるようになり、刀全体の装飾も儀礼的なものから実用的なものに変わり始める
そして平安後期までゆくと、武家の台頭により、刀の需要が増えると共に象徴として現在のような形状が完成するのじゃ
日本刀の仕組み
一口に日本刀と言ってもその種類、部品は様々で
その意味合い、用途は異なってくる
日本刀の種類
大太刀
野太刀とも呼ばれ一般的には刀身が三尺(90cm)以上の刀を指し、その大きさから抜刀した状態で騎馬武者が持ちいることが多かった
太刀
刃渡りがおおむね二尺(60cm)ほどの刀を指し、最大の特徴は太刀緒と呼ばれる紐を使い腰に巻き付けるようにして佩用(はいよう)する
打刀
通常、刀というとこの打刀を指すことが多く、太刀とは違い佩用するのではなく帯に差すことにより携帯しやすくなっている
脇差
副装備品として用いられ、室内戦では打刀より使い勝手がよいためよく携帯される。刀の大小というと大が打刀、小が脇差のことをさす
小刀
「こがたな」と呼ばれ、脇差より小さいものの総称。小柄、合口、懐刀等が該当し、護身用、装飾品として用いられる
日本刀の部品
刀身
刀の本体部分。砂鉄を原料とする玉鋼と呼ばれる鉄を使い、四種類の固さの異なる鋼を何回も折り返しながら鍛錬される。こうすることにより日本刀の特徴である固さとしなやかさを兼ね備えることが出来る
柄
「つか」と読み、刀を握りやすくするための部品。要は持ち柄の部分。鮫肌を巻き上から柄巻きと言う紐を巻くことが多いが、鮫肌のみの場合もある
鍔
「つば」と読み、柄と刀身の間に付け相手の刀が手に滑らないようにするための部品。装飾品としての自由さがあり個性が出やすい。鍔が無い小刀を合口という
鞘
「さや」と読み、刀身を守るための入れ物。太刀は太刀緒、打刀には下緒と呼ばれる紐が付く。色、装飾等で刀の特徴を示す、刀の顔の部分
まとめ
日本刀は歴史上早い段階で完成され、突く、斬る、叩くといった多様な攻撃が出来るだけでなく
防御、携帯、装飾と多くの面で優れた武具として火器が主流になるまで使われる事となった
現在でも日ノ本は勿論、世界中で人気を誇り、美術品として、物語に登場する武具として親しまれておる
皆々も機会があれば一度、日本刀の姿を見に行って貰いたいものじゃ
此にて仕舞いじゃ!
前田又左衛門利家
コメント
利家様今日もお疲れさまです。
すっかりブームになりましたね、日本刀。
私も推しの刀を見に遠征した日々が懐かしく。
どんな形であれ興味を持てるということは良いことではないかと思います。
ただの道具なのか美術品なのか、見る人により様々ですが、造る技術としてロストテクノロジーになっていくのは勿体ないような気もしますね。
利家様、ご教示ありがとうございました。
初心者に分かりやすく解説していただき、勉強になりました。
今まで知ったかぶりで使っていたこともわかって恥ずかしいやら感心するやらです。
色々な側面から人気のある日本刀。中には眺めていて恐ろしく感じるものもありますが、次の機会には教えていただいた知識を踏まえてじっくりと見てみたいと思います。
利家様
おはようございます。
武具(刀)のお話、面白かったです。
さらに、
その刀を実際に扱う武将様から
お話を聞くことができる、
貴重ですよね!