又左草子~~まつの生誕祝いに候

日記

皆の者、息災であるか

前田又左衛門利家である

此度は儂の妻であるまつについて紹介して参る。

七月二十五日が新暦においてのまつの生誕日であったため、ええ機会じゃと思った次第である。

まつと蘇ってから初めて逢うた折じゃ

 

要するに生誕日の祝いとして、まつを現世の皆々に知らしめんとするわけじゃな。

皆々としても、

まつほどの魅力溢れる人を知らんちゅうのは実にもったいなことじゃで、

確と覚えて参れ。

……と言っても洗いざらい話すと皆がまつに惚れてまうで、

かいつまんで話そうかの

まつ紹介

まつは尾張国海東郡沖ノ島にて生まれる。

現世でいうところのあま市にあたるところじゃな。

まつが生誕したと言われとる場所には記念碑が建っとるで、機会があれば行ってみると良いであろう。

父君である 篠原主計 殿が戦で亡くなり、

まつの母君は儂の母、長齢院 の姉であったため前田家に身を寄せることとなった。

この時まつは三歳であった。

儂とまつは家族同然として育ったわけじゃ。

幼い頃のまつはえらいおてんばでな

儂らが弓の練習しとったのを見てまつも射って見たくなったんじゃろう。

近くにあった破魔矢を急に射りはじめ、

怒られておった。

 

そんなまつも大人になり

聡明でありながら勇気を持った、皆が知るところのまつへと成長するわけじゃな

次は、まつが成した前田家の大きな分岐点を二つ紹介して参る

浪人利家とまつ

まつが儂と夫婦になってから程なくして一人目の子を儲ける。

前田家の長女 幸 じゃな。

儂は信長様のもとで着々と軍功を重ねておったし、

待望の第一子誕生と、儂とまつは満ち足りた日々を送っておった。

しかしながらそんな生活に暗雲が垂れ込める。

信長様から出仕停止の処分を下されたのじゃ…

儂が信長様の同胞衆、拾阿弥を斬ったことにある。

出仕停止とは現世でいうところの解雇で、儂は浪人となってしまった。

順風満帆だったのが一変

食うにも難儀する生活になってしもうた。

まつはまだ年が若い上に、初子を産んだばかりで、体力、気力共に滅入ってしまっても仕方がない事態であった。

しかし、

まつは気が滅入るどころか

利発さと持ち前の明るさにて

この苦境を乗り越えて見せた!

まつの人柄により、支援をしてくださる方が現れたのじゃ。

儂は戦働きにて信長様に認められ、織田家に復帰できたのは、まつが生活の憂いを絶ってくれたからに他ならない。

拾阿弥を斬ったことは儂の正義に基づいたことじゃけれども、

家族のことを思うとなんとしても堪えるべきであった。

 

現世だったら即座に三行半を叩きつけられる事案じゃからな!!

皆は決してするでないぞ!?

まつには感謝してもしきれんわな

加賀征伐

儂の死後、徳川殿は天下を己が物にするため、徳川と唯一対抗しうる勢力であった前田家を征伐しようと行動を起こす。

儂の跡を継いだ利長をはじめ多くの家臣は抗戦を考えるのじゃが

まつが戦をするべきではないと皆に説き、自ら人質として徳川殿のもとへ出向き交戦を避けることができた。

儂とまつの四男、利常と家康殿の孫、珠姫の婚儀を決めたのもまつであると聞いておる。

他にもまつは関ヶ原の後、西軍についた宇喜多秀家の助命を嘆願し、かなえられておる。

家康殿の意見を変えるとは流石まつじゃ!

このようなまつの働きがあって危機を乗り越え、

徳川殿の天下となってからも、長きにわたり加賀百万石を治め続けることができたわけじゃ

あとがき

かようにまつについて語って参ったが、

此度話したのはまつの魅力の誠に、ほんの、ごくごく一部じゃ。

秀吉やおね殿との家族ぐるみの付き合いのこと、

信長様には、下手したら儂よりも認められておったことなど話は尽きん。

興味を持ったものは詳しく調べて参るが良いぞ。

そしてな、

名古屋荒子の地は儂とまつが幼少期から長きにわたって共に暮らした場所である

皆も一度立ち寄ってみるが良い

初演武

先日、名古屋城にて蘇ってから初めての演武があった。

信長様と秀吉との出陣であったため、心置きなく存分に槍を振るうことができた。

これからも精進して参る

蛇足

此度の日記帳の途中で三行半ちゅう言葉を使った。

この言葉、わしらの時代では使われておらず、江戸時代から使われ始めた言葉じゃ。

本来は旦那が妻に離縁を言い渡す時に使った言葉なのじゃが、現世においては反対に使う印象が強いようじゃな。

どちらで使っても間違ってはおらんようじゃで普段通り使って参れ。

……使わんで済むことを祈るがの。

蛇足其之二

此度は手を使わん己が撮りに挑んだぞ。

たいまー機能とやらは、使いこなせば便利じゃろうな

城に音絵巻に日記帳、まだまだ精進して参る故皆も応援よろしゅう!

では

さらばじゃ!

コメント

  1. 相州姥桜 より:

    利家様
    本日はお暑い中のご登城、お疲れさまでした。
    間もなく緊急事態宣言が出されようと言う相模からはなかなかお訪ねできませんが、電脳空間を通じてご活躍を楽しみにしております。
    先日の音絵巻も初陣とは思えない堂々としたお話ぶりに感服いたしました。

    おまつ様との仲睦まじいご様子にほのぼのさせていただいております。
    昨年末に京都の大徳寺を訪れ、芳春院にも(入り口のみですが)参拝いたしました。
    まつ様が建立されたまつ様のお名前のお寺、静かな佇まいに浸って参りました。
    美しくも強いまつ様は素敵な女性だったのでしょうね。

    今度は秀吉様、おね様とお二人の逸話もお聞きしたいです。

  2. あきあかり より:

    利家様
    日記をありがとうございます。
    荒子に行かれたんですね。荒子のお話も聞けたら嬉しいです。次回楽しみにしています。
    まつ様と末永く仲良く。

    今回のお写真はたいまー機能なんですか?
    てっきり太助さんが撮ったのかと思ってしまいました。
    お写真ありがとうございます。
    暑い一日お疲れ様でした。
    少しでもゆっくり休んでくださいね。

  3. より:

    利家様こんばんは

    本日は単騎でお城へのご出陣お疲れ様にございます(頼もしい陣笠太助さんをお供に連れられ)

    さて、あの徳川様の意見を変えてしまう力があるまつ様はやはり素晴らしい女性ですね。 尊敬してしまいます。
    書物を少し探してみたくなりました。

    蛇足話の三行半 江戸時代からの言葉とは知りませんでした。
    勉強になります

    タイマー機能 カラクリにございましたね。そういった機能 忘れかけておりました。いつか利家様を撮らせていただく時に活躍しようかなぁ。三脚いりますね

    名古屋城での初演武拝見させていただきました。
    この先何回見ても名古屋城での初演武を私は忘れない事でしょう。
    この先も楽しみで御座います。
    今週末も頑張って下さいね
    これからも沢山の楽しみが待っている気がしてワクワクいたします。
    ご活躍楽しみにしております。

  4. 青云 より:

    利家様こんばんは。
    本日も誠に暑い中のご公務、さらには日記帳の更新と、大変お疲れ様にございます。

    つぶやきにもあった写し絵…夏の空の下堂々たるお姿の利家様のお写真は、なんと“たいまー“を使って撮られたと!
    400年前は算盤、現世ではカラクリを使いこなす利家様は本当にすごいですね…!

    さて、此度の本題は利家様の奥方様であらせられる芳春院まつ様のお話…「洗いざらい話すと皆がまつに惚れてまうで、」と書かれていますが、もうこれ以上ないほどに魅力的に書かれていて、しかもそれが他でもない利家様のお言葉であるという事実に
    この「夫婦」そのものが魅力の塊と言わずにいられようか、というきもちです。

    …芳春院様の血筋は江戸時代には加賀藩重臣前田土佐守家として残り、現世に残された資料も膨大で石川県には資料館もあるほど。
    人はその一生を生きた時間だけでなく、その後の世にも影響を残していくこと
    そして今改めて利家様の視点やお言葉で、現世を生きる民の目の前に提示される…誠に稀有な経験をしているようにも…この日記帳を読んで感じました。

    本日もありがとうございます。
    どうかお疲れの出ませんように。

  5. 良子 より:

    利家さま

    おはようございます。
    昨日はお疲れさまでした。

    まつ様のお話ありがとうございます。改めてまつ様の生誕日おめでとうございます。
    「皆まつに惚れてまうで…」とのことですがまつ様は利家さまに惚れてるのを皆さんは知ってますよ(笑)

    もう少しまつ様のこと知りたくなりました。
    荒子駅前の出陣する利家さま、見送るまつ様の像は凛々しい姿、可愛らしい姿は観るものを和ましてくれてますね。

    載せていただいた現世に甦ったからのお二人の写真で目尻が下がって見えるのは私だけでしょうか?
    幸せオーラが届いてます。

    次の日記を楽しみにしてます。

    昨日は1日ありがとうございました。
    夢幻?無限に続きそうでした(笑)

  6. YUI より:

    利家様へ!!!

    こんにちは!!!!!!
    ブログ更新してくださってありがとうございます!
    しかも、まつ様とのお話!!!!!!!
    最高です…!!!!!!

    先日のまつ様との写し絵もとっても素敵で、こちらまで嬉しくなりました!!
    利家様のTwitterでのお言葉で、「息災であったことに感謝、共に令和の世を盛り上げて参ろう!」という力強くて思いやり溢れるお言葉に感動しました☺☺
    これからのお二人のご活躍がより楽しみになりました!!
    はやくまたお会い出来るといいですね!

    まつ様の聡明さが丸わかりエピソードたくさん教えてくださってありがとうございます!
    強さと賢さを兼ね備えるまつ様…。憧れます!
    戦国の世を利家様とともに、そして利家様亡き後も前田家を支えてくださったことで、その後の前田家の繁栄があるのだと改めて思いました。
    以前、金沢の野田山にお二人のお墓参りに行かせて頂いたことがあるのですが、1番高い場所に寄り添われるように大きなお墓がありまた。お二人の絆の深さと金沢の人々に今も敬愛されていることが分かりました。
    金沢に行くと、利家様のご威光が感じられて、尾山神社とともに訪れたい場所です。

    昨日は単騎での名古屋城ご出陣もお疲れ様でした🌻
    名古屋の暑さはきっととんでもないことになっているかと思いますが、どうぞお身体に気をつけてくださいね!

    🟢追伸🟢
    櫓!!!!ついに!!!建ちはじめましたね!!
    利家様と踊る盆踊りを夢みて、今から素振りをはじめました(?)

  7. りーくん より:

    利家様
    おはようございます。

    遅ればせながら、
    まつ様の生誕日、おめでとうございます!
    写し絵で拝見する限り、とてもお似合いの御二方ですね。
    まさに荒子時代の御二方のようです。
    お二人の姿をこの目で拝見できる日が楽しみです。

    現世に蘇ってすぐ荒子への凱旋!
    秀吉様との御伽衆(YouTube)撮影で行かれたのですね。
    御三方のわちゃわちゃ感が面白かったです(笑)。

    名古屋城での初演武も音絵巻初陣もおめでとうございました。

    こたびの日記帳は内容盛りだくさんでございましたね。
    またの更新を楽しみにしています。
     
     
     
     
     

  8. 結月里洋(ゆづき りょう) より:

    おめでとうございます!!

    とても勉強になりました♪
    素敵な方なのですね☆

タイトルとURLをコピーしました