又左趣記 馬物語 第三話

日記

又左趣記 馬物語

前田又左衛門記し候

此処では又左趣記としてこの多趣味武将こと前田又左衛門利家が

「手記」ではなく「趣記」として

馬物語、武具録、説異聞、霊日記の四つの章に分け

普段ではあまり知り得ない知識を記して参る

馬物語とは

後に松風と呼ばれ戦国一の勇馬である谷風を愛馬とし

その背に乗り戦場を駆け抜けた

名馬を愛し、名馬に愛された儂が

古今東西の素晴らしき名馬達を

その歴史、物語と共に紹介してゆく

今回は

さて、今回は遂に!日ノ本の馬を紹介しようと思う

その名も

鬼鹿毛

じゃ!

さて、この馬がどんな逸話があるかを紹介しようぞ

鬼鹿毛って何?

先ず、鬼鹿毛を紹介するにあたりこの名前の意味を説明せねばなるまい

「鬼」とは日ノ本に古来から伝わる化物の事で

様々な伝説に登場するが

馬の名前に鬼が付くことが度々ある

これは、気性が荒い馬に付けられる事が多く

鬼が付く馬は気性が荒く、強い馬であるといった印象をつけるのを目的としている面がある

そして、「鹿毛」というのは

馬の毛並みのことで、茶褐色の毛色をした馬を指す

故にこの鬼鹿毛は、気性の荒い茶褐色の馬という意味になる

鬼鹿毛ってどんな馬?

鬼鹿毛は武田信虎が所有していた馬で

体高は四尺八分八寸(148cm)あり

現世のサラブレッド種と比較しても大差ない大きさがある

ちなみに体高とは馬の大きさを示す数値の一つで

前足の一番下から肩甲骨の辺りまでの長さである

日本在来馬の平均体高が四尺二分九寸(130cm)程なのに対し

現世で競走馬として有名なサラブレッド種の平均体高が四尺九分五寸(150cm)程なので

鬼鹿毛は戦国時代の馬としては大きいと言えるじゃろう

鬼鹿毛の逸話

さて、ここまでで鬼鹿毛がいかに素晴らしい馬であるかは分かって頂けたであろうが

この馬には名馬らしい逸話が残っている

鬼鹿毛の所有者である武田信虎は何を隠そう武田信玄の父である

信虎も大変戦上手で馬や武具などを愛し

多くの名物を所有していたが

ある日、息子の晴信(後の信玄)にこの鬼鹿毛を所望される

しかし、鬼鹿毛を大事にしていた信虎はそれを聞き入れなかった

これにより兼ねてから良くはなかった親子仲は更に悪くなり

最終的に信虎は晴信に自国を追放されてしまった

まとめ

以上を踏まえこの馬は

戦国一の最凶馬

と言えるじゃろう

甲斐の覇者であり、戦国最強とも言われた武田の家族仲を引き裂くほどの名馬鬼鹿毛

まさしく名馬じゃ

では

此にて終いじゃ

前田又左衛門利家

 

 

コメント

  1. あっ より:

    利家様今日もお疲れ様でした!
    清正様と対のようなお写真が素敵です!
    しかし馬がきっかけで仲がさらに悪くなるってのも…よっぽどの口実としか思えませんねえ…。
    でも馬をそうホイホイやれるかって気持ちもわかりますし(名馬なら尚更)
    また調べてみまーす!
    来週は利家様ウィークですね、どうかお怪我等のないように…。ファイトです!

  2. りーくん より:

    利家様
    おはようございます。

    戦国時代の馬からしたら
    鬼鹿毛は体長の大きな馬だったのですね。
    そんな戦国一の最凶馬を操る武田家は
    さすが最強の騎馬隊といえますね。

    馬と武将様は戦においては人馬一体ともいえますので、
    これからも戦国時代の馬のお話を教えてください。

  3. 結月 里洋(ゆづき りょう) より:

    名馬紹介、勉強になります!

    お馬さんは、そんな意味もあったのですね!!

タイトルとURLをコピーしました