十吾にござりまする
今年もいよいよ終いにござりますな…
此度は、拙者が詠んで参りました
“あしがる俳句”の中で
拙者が特に気に入っております物を詳しい説明とともにお話しいたしまする!
一、冬椿 戦場偲ぶ 桶狭間
こちらは、桶狭間にござる戦評の松に咲いておりました椿の木、その近くで散っていた花を見ての一句にござりまする
椿は花ごと、落ちるように散る
それがかつての大きな戦場に御座るのは何の因果か…
二、厳寒に ぴりっと胡椒 身を解く
これは寒い夜にいただきました、手羽先を見ての一句にござりまする
“身を解く”
これは、
“凍えた体が胡椒の辛さで温まる”
のと
“手羽先の身を解きながら食べる”
という二つの意味を併せたものにござりまする
三、雪の下 紅白重ね 明日を待つ
こちらは雪の日、山茶花の上に積もった雪を見ての一句
俳句を詠むようになって詳しく学んだことに“襲の色目”がござりまする
女子が身につける着物の色を二つ、
重ねる事で呼び方や意味を変えるそうにござりまするな
その中で“紅梅色”の上に“白”を重ねると“雪の下”というのだそう
そういった襲の色目もまだまだ学んでまいりまする!
四、冬鳥よ 飛べばよかろう 拾い食い
こちらは名古屋城にて落ちておりました柿を見ての一句
その柿は冬鳥がつついたような痕がござりました
このすぐ近くにはいくつもの柿が実った木がござり、おそらくそちらから落ちたものを鳥が食ったのでしょうな
しかし、近くにこれだけ実った柿がござるのだから、わざわざ落ちた実を食わんでも良いのに…
おそらく鳥も空を飛ぶのが億劫になるほど寒い日だということなのでござりましょうな
五、石積みの 息の白きは 過ぎ去りし
こちらは、地下鉄に飾られた“れご”の名古屋城を見ての一句
四百年前、城の石運びなど、寒い中で戦仕事をする時は何度もござりました
しかし現世の子は、寒い中でなくとも“れご”を使って石積みをするのでござるかと思い申しました
そのような世は、武将様が戦国の世にて我らを導いて頂いたことで成ったのですな
六、今年最後の一句!
これにて此度の日記帳は終いにござりまする
来年以降も、いんすたぐらむ
にて俳句を詠んで参りまする!
皆さまこの一年も誠にありがとうござりました!
最後に今年最後の一句を!
大晦日
ただ見据えるは
先のみや
コメント
しかと拝見させていただきました。
たった十七文字で伝えるって本当に難しゅう御座いますのに毎回本当に有難う御座います。
これからも楽しく拝見させていただきますね!!
良いお年を!