又左趣記 武具録
前田又左衛門記し候
此処では又左趣記としてこの多趣味武将こと前田又左衛門利家が
「手記」ではなく「趣記」として
馬物語、武具録、説異聞、霊日記の四つの章に分け
普段ではあまり知り得ない知識を記して参る
武具録とは
槍の又左と呼ばれ、金色の甲冑を纏い戦場を駆け抜けた儂、前田利家が
古今東西さまざまな武具の特徴、用途、について戦を生業とした武士としての目線から
皆々に紹介しようと思う
今回は
此度紹介する武具は
身を守る上で最も手軽で実用的な武具
盾じゃ!
世界中にどんな盾があり、どう使われておるのかを
紹介して参ろう
盾
盾(たて)は打撃、斬撃、投擲物等の攻撃から身を守る為の板状の防具で
造りの単純さ、使いやすさから世界中の歴史に登場する
国や地域、人種によってその素材や意味合いは多種多様で
木材、鉄、銅を始め、動物の革や骨を用いたものも存在する
日ノ本の盾
古代日本の歴史に於いても盾の存在は大きく
多くの遺跡から木製の盾が出土していることから有史以前から身近な防具として用いられていることが分かる
また、五世紀頃には儀式用に鉄製の盾も造られていた
これ等古代日本で用いられた盾は手盾と呼ばれる片腕に装着、持って使われたもので
一般的に盾と呼ばれるものはこの様式であることが多い
それ以降になると日ノ本の盾は少しずつ形状が変化してくる
主力の武器が槍や薙刀など両手で持ちうる物になると
片手を使わなければならない手盾は行き場を失い、肩口へと移動していく
甲冑の肩に付いている大袖(おおそで)と呼ばれる部分がそれである
また、弓が主戦力となってからは掻盾(かいだて)と呼ばれる地面に設置する盾が主流となった
更に鉄砲が入国してからは竹束(たけたば)という青竹を束ねたものが流行った
中国の盾
古代中国では早い段階から漆で装飾がされたものが登場しており
実用的な防具であると共に儀式、装飾品としての役割も担っていた
中でも鉄製の盾は重盾(じゅうじゅん)と呼ばれ武人から重宝された
いずれも形状としては手に持つ手盾である
欧州の盾
欧州でも古代から盾が多く用いられており
戦場で軍、人種、国を表す最たる物の一つとして用いられた
形状や大きさも様々で、円形、四角形は勿論、楕円形、涙滴形の物や人を丸々守れる程大きい物まであり、手盾として用いられた
中世に入ってからは騎士の象徴として人々の羨望が注がれる武具であった
現代の盾
現代に至っても盾という防具は活躍している
ライオットシールドと呼ばれる透明で大きな盾で
多くの国の軍隊や警察で鎮圧用の防具として用いられている
まとめ
以上のことから盾という武具は
最も原始的で最も実用的な防具
と言えるかもしれん
攻撃を遮るという点で盾以上に優れた物を造る方が余程難しいのじゃろうな
では此にて終いじゃ!
前田又左衛門利家
コメント
利家様こんばんは!
現代の日本では盾を見る機会は少ないけど、フェイスシールドもマスクも盾ですねー。
これもある意味盾の進化かも。
小さな敵だけど脅威ですしね。
私は心の盾をなんとかします笑笑